売り買いする世界

 現在の資本主義は、人間がものを売り買いすることで成り立っており、その行為は私たちの生活でごく当たり前のものとして受け入れられている。しかし、多くのSF作品、「スタートレック」、「猿の惑星」で描かれる未来では、売買の行為は淘汰されている。なぜそう考えるのだろうか。

 おそらく生活が十分豊かになって、あらゆる物資にすべての人が自由にアクセスできるようになっているという未来が想定されているからではないだろうか。物資が十分すぎるぐらい豊かだから、何かを得るために労働対価を支払う必要はない、いつでもほしいときに欲しいものが手に入る。よって自分の財産を確保する必要もない。

 ではどうやってそのような生活の豊かさを実現できるのだろうか。人工知能が人間のかわりに、今よりもはるかに高い生産性で労働してくれているからだというのは一つの説だろう。

 売買行為のない社会へのパラダイムシフトはいつどのように起こるだろうか。現在富の99パーセントが人口の1パーセントに集中しているこの時代、そのような独占がなくなり、富が分散され、かつさらに物質的に豊かになる時代。