What Money Can't Buy

 

 

 

 マイケル・サンデルの「それをお金で買いますか」を読んだ。市場主義的な考えが僕らの生活に浸透し、愛情や人間の尊厳といった規範が蝕まれていることを指摘している。それを防ぐには、市場主義的な考えのまま思考停止をするのではなく、何が善なのかをしっかりと議論をして結論を出すべきだというのが筆者の考えである。

 このように、特に本の中では具体的な解決策が提示されているわけではない。しっかりと議論をしよう、といっているだけである。これだけでは、金銭的にモチベートされて市場主義を導入してくる人たちを食い止めることはできない。よって、法律によって規制するというのが単純な対策になると思う。ただし、どこまで規制すべきか、そうでないかは、それこそ「議論」が必要になる。

 この本は主にアメリカに蔓延する市場主義に着目しているが、日本ではこのような顕著な状況は見られない。それはやはり国民性によるものなのだろうか、それとも法律がしっかりと市場主義を抑えているからなのだろうか。

 調査をしていないからわからないが、おそらく法律ではなく国民性がそのような市場主義を抑えているのだと思う。日本でそのような法律がきっちりと整備されているということは聞いたことがないので...